本の言葉 ~私の読書ノート~

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『世に棲む日日』 司馬遼太郎

      2018/03/05

聡明ということのみが本来陽気のたねになりうるものであるということを、彼女ほどその一身で具現した婦人はあるいはめずらしかったかもしれない。(※松蔭の母お滝)

人間の運命をきめるものは、往々にしてその能力であるよりも性格によるものらしいが、藩の運命も、その性格によってつくられてゆくものらしい。

松蔭は、一生他人に怒った顔をみせたことのない若者だったが、理屈は十分にいうし、物事に執拗でもある。このしつこさというのは、松蔭のエネルギーのもとであるらしい。

(松蔭は)ここ数年、日本中をあるきまわって、海岸を見、山岳を見、国防のことを考えつづけた。

徳川幕府というのは、他国の政府のように国土のすべてを行政しているのではなく、四百万石とも八百万石ともいわれる直轄領(天領)を所有し、そこからのみ租税をとりあげ、その直轄領のみをおさめている。要するに大名とおなじなのである。大名のうちの大なるものというだけのことであり、それが諸大名の上に君臨しているのは、家康以来単に武力によって大名の盟主になっただけのことであり、したがって将軍家は皇帝でもなんでもない。

虚無思想の徒でもなく、また絶望という気分に自己愛の甘美さを見出す男でもなかった

<登場人物>
吉田松蔭
佐久間象山
玉木文之進
高杉晋作
久坂玄瑞
品川弥二郎
伊藤博文
井上馨(聞多)
山県有朋(狂介)
毛利敬親(たかちか)

昭和47年 『世に棲む日日』を中心とした作家活動 吉川英治文学賞








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