本の言葉 ~私の読書ノート~

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『ドラッカーの実践経営哲学』 望月護

   

胡椒の貿易で儲けた九人のオランダ商人がアムステルダムに集まって、共同して船を作って胡椒を輸入し、売上の一%を利益として受け取ることを条件に仲間に投資を呼びかけた。 ⇒ のち東インド会社(株式会社のはじまり)

明治以降、福澤諭吉と渋沢栄一は会社設立に関するテキストを発行して、積極的に起業を奨めた。維新によって三千万人の人口のうち七%にあたる二百万人の武士が失業したから、仕事を作ることが最大の課題だった。

ドラッカーが支持される理由は、「企業は人間の集団であり人間をやる気にさせなければ企業は発展しない」という本質が伝わるからである。

(コンピュータ業界は)「良いものを作れば売れる」「良いものを買わないのはお客が悪い」という売り手本位の発想でモノを作っていた。マイケル・デルはまったく逆の発想で「お客が抱えているニーズや問題点を探し出してお客に応えるサービスをつくりだせば、大きなビジネスになる」と考えて事業を起こした。

モノ余り(供給力過剰)は人類の歴史始まって以来の経験である。見たことも聞いたこともない世界が幕を開けたのである。

モノが不足していた時代は口では「お客本位」と言いながら、実際にはお客を無視した「売り手本位」が長く続いてきた。――
しかし、モノが一通り行き渡ると、お客はわがまま(欲求)を満足させることができるかできないかによって儲かる会社と儲からない会社の差がつく時代が始まったのである。

お客が喜ぶサービスとは、売り手にとって「不便で手間がかかって面倒なこと」である。

企業には栄枯盛衰があるが「販売の○○会社、技術の△△会社」と言われて、その後伸びた会社はほとんど販売の○○会社である。

メーカーと卸と小売が連携することをサプライ・チェーン(供給連鎖)という。サプライ・チェーンのレベルが低ければ、現在の競争は企業と企業の競争というよりも、サプライ・チェーンとサプライ・チェーンのコストダウン競争に変わってしまったのである。

(製造業は)これからは知識を基盤とする流通企業へと変身しなければならない。製造業は国民経済に大きな付加価値をもたらさなくなった。その役割を知識産業と流通産業が担うようになった。

ドラッカーは企業が成長するのはイノベーションとマーケティングによるという。

われわれは現在の状態を不況だと思って大騒ぎしているが、ドラッカーは、不況が起きているのではなく、工業社会から知識社会への転換が起こっているのだという。

転換の本質は、供給力が需要を上回ったことにあるから、売り手中心の考え方を買い手中心の考え方に変えることである。

バブルが弾けて分ったことは、銀行は預金者から預かったカネに利息を乗せて貸し出していただけで、土地と株が値上がりしていたから資金がうまく回っていた。つまり銀行は「安く仕入れて高く売る商売をしていた」だけで、自ら手を加えて価値を生み出していなかったから行き詰ったのである。

売上を増やすためには、売り物を開発する活動(イノベーション)と買ってもらうしくみを作る活動(マーケティング)の二つの活動が必要なのである。

イノベーションとは「儲かっていない活動を儲かる活動につくりかえること」で――
「ものの考え方や仕事の方法を変えることによってお客(得意先)の価値観を変えさせて、お客を満足させて、自分も儲けること」をいい、「時代遅れになったり、生産性が低いために儲からなくなった活動を儲かる活動につくり変えることが根本原理」なのだ。

起業家として成功する者は、(中略)単なる素材を資源に変える。あるいは新しいビジョンのもとに、既存の資源を組み合わせる。

ショムペーターは、「新結合」によってイノベーションが起こると説明した。「新結合」とは、新しく結びつけたり、新しい組み合わせをつくるという意味である。

お客が買わなければならない理由と意味を考える。 コトラー

小売店を床の間に座らせて敬意を表し、「取引先をみな親類にせよ」と説いたのは、松下幸之助である。

大切なことは、外部の世界について十分な情報を手にして意思決定を行なうことである。
市場、消費者の変化、流通システム、技術の変化、競争相手、まさに、それらの変化が倒産を招きかねないからである。

仕事は常に実務が先行し、理論は後からできる。

「安くて良い製品をどんどん売って、メーカーと小売店が気持ちを一つにして利益を分かち合おう」という共存共栄の哲学 松下幸之助

既存のお客を維持するコストは新規のお客を獲得するコストの五分の一もかからない。

お客が買っているのはモノではなく、モノがもたらす効用である。

劇団「四季」代表の浅利慶太氏は、お客が買っているものは、生命保険会社は「安心」、メーカーは「便利さ」、劇団「四季」は「感動」を買ってもらっているのではないか。

サム・ウォルトン(ウォールマート)が観察したところによれば、万引きを防ぐ簡単な方法として、やさしそうな年配の女性を雇って挨拶させれば誰も盗みを働かなくなるという。

「新しいものを得るために古いものを捨てる」ことがイノベーションの原理である。

ソニーの創業者井深大は「棄てる勇気を持てるかどうかが成功と失敗の鍵を握る」と言っている。

利益とは、お客が喜んでカネを払ってくれるモノやサービスを提供して、限られた資源を有効に生かした結果得られるものである。

革新(イノベーション)の戦略の基礎は、死につつあるもの、陳腐化したものを計画的かつ体系的に捨てることである。 ドラッカー

社会の変化に伴って新しい精力が台頭し、それまでの既得権に安住していた人間にとって代わる、最も風通しの良い明るく活力のある時代が、転換期であり、激動期であり、戦国時代なのだ。








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